京都一周トレイルの中でも「東山コース」は人気も高いのですが、[銀閣寺より北/雲母坂より南]は盲点になりがちです。大文字山や比叡山といった"目玉"スポットを欠くからなのでしょうが、社会史的な観点に立てばちょっとした面白さも出てきます。その時のキーワードが「白幽子」です。白幽子とは、伴蒿蹊の『近世畸人伝』にも描かれた江戸中期の人物であり、北白川の山中に隠れ住んでいた仙人とも言われています。その名前を有名にしたのは白隠慧鶴の『夜船閑話』ですが、その内容を鵜呑みにするのではなく、考証的な目線で白幽子古跡を尋ねてみると、石工の里・北白川の地域史や明治の文人富岡鉄斎による白幽子顕彰運動などが見えてきて、さまざまな方向へ興味が広がっていきます。
銀閣寺道−白幽子古跡:約1時間、白幽子古跡−瓜生山:約30分
瓜生山−狸谷不動院:約15分/瓜生山−雲母坂(水飲対陣碑):約90分
水飲対陣碑−叡電修学院駅:約1時間/水飲対陣碑−延暦寺:約2時間