江戸時代に本阿弥光悦が開いた芸術村の鷹峯と、銘木の産地として栄えた北山郷は、尾根一つを隔てて隣り合っています。かたや京都市街域の北西端で、かたや周山街道の先なので、かなり離れているように思われがちですが、ハイキングコースで考えれば一つのルートでつなぐことができるのです。
起点の鷹峯には光悦寺や源光庵などの観光スポットもありますが、コースの目玉はもちろん菩提の滝です。北山杉が銘木として知られるようになった頃には、滝壺の砂で杉の肌理を磨き上げていたといい、川端康成の小説「古都」にもそのエピソードが紹介されています。
また周山街道に出たあとは、栂尾の高山寺まで歩くもよし、バスで北山杉資料館を訪れるもよし、いろいろなバリエーションが組めるのも、このコースの魅力です。
玄琢−菩提の滝:約2時間30分
菩提の滝−栂尾:約1時間30分