山頂に天台宗総本山の延暦寺が鎮座する比叡山は、平安京が定められた昔より、都の鬼門(東北)を守る道場と見なされてきました。時代が移りゆくなかで延暦寺の重要性が高められたのは、そんな宗教的な背景があってのことですが、それとは別に地形的にみても雲母坂は都の城砦となっていました。
親鸞上人が洛中の六角堂にこもるために夜な夜な雲母坂を駆け抜けたことが聖人伝説の1ページを飾るのも坂の険しさが前提になっています。また都に事変が起きた時には帝を比叡山へと画策されたのも戦略的な狙いがあってのことでした。
そうした歴史に思いを馳せつつ雲母坂を歩けば、「聖地」比叡山なるものの意味合いがはっきりと見えてくることでしょう。
登山口−ケーブル比叡駅:約2時間30分
ケーブル比叡駅−根本中堂(大比叡経由):約1時間
ケーブル比叡駅−根本中堂(迂回路):約40分